自己啓発系ビジネスの分類
で、ビジネス系から人生系まで、仮に三種類に分類するわね。ダン・ケネディなど、アメリカにおいて自身のマーケティング経験をもとにノウハウセミナーやコンサルティングを行っている起業家は、大抵この分類に入る。
たとえ自己啓発的でない言説を展開する本でも、『自分にはこのノウハウで出来たから、あなたにも出来る』という結論になるので、立派に自己啓発である。
『金持ち父さん~』のロバート・キヨサキもこの分類にはいる。
【心理学系自己啓発】
セルフ・イメージを変えることによって人間は行動を変え(あるいは行動を変えることによってセルフ・イメージを変え)人生もしくはビジネスにおける成功を目指す。
どのようにセルフ・イメージを変えていくかのテクニックを多数持っている。
一番経験的な根拠があると思われる。
もっとも成功した事例としては、朝鮮戦争当時の中国人民開放軍によるアメリカ軍捕虜の洗脳があげられる。これは行動を変えることによってセルフ・イメージが変わってしまうという好例で、中国軍はなんら暴力的な手段を取ることなく、日々の行動を誘導することで、共産主義に協力的な捕虜を作りだしてしまった。(人民解放軍のドキュメンタリー映画では、カウンセラーが人民解放軍士官学校の洗脳技術を褒め称える場面もある。悩んでいた生徒も、誘導されることによって”立派”な共産主義者になる。ドキュメンタリーで印象的なのは、共産主義への洗脳という言葉つかいつつ、それを肯定的に捕らえていた中国人カウンセラーの態度である・・・)
また、オリンピック選手などのコーチングなどで使われるメンタル・トレーニングもこの分類に入ると思われる。
既述のダン・ケネディや神田昌典などが、これらのテクニックを推奨(本を出版したり、企画したりしている)している。ニュートラルである技術を応用して人生を好転させようという論理は、納得しやすい。
【ニューソート系自己啓発】
いちばん毀誉褒貶の大きな概念である、『強く願うことによって願いは叶う』もしくは『成功の実現を強くイメージし、すでに成功した気分を味わうことによって成功する』というのを原則とした自己啓発。・・・っていうか、自己啓発はアメリカ発で、英語での単語が【Self-Help】なので、突き詰めていくと厳密な意味での【他力本願】である【ニューソート系自己啓発】がほんとうに自己啓発と呼べるかどうか・・・。
ジョゼフ・マーフィーの【眠りながら億万長者】系のがそれね。
コレ系の自己啓発では、願うことによって行動がしやすくなって成功するという人と、そもそも行動は関係なく、『願いの強さのみが全てを決める』という人がいるわ。
後者の場合は、願いと現実の落差によって、うつ病になってしまう人もいるから注意が必要ね。
前者の場合は、まあ運の良い瞬間というのはだれにでもやってくるから、つねにそれに備えていれば成功する、という言い方もできて、それだと大抵の自己啓発家の言説の範囲でとらえられる概念になるわ。
宇宙の波動や、与えたものが帰ってくる宇宙の法則や、宇宙の絶対的存在へ届くほどの強い願いをもてば道は開ける、といった思想は、アメリカでは『ニューソート』と呼ばれているわ。セドナっていうところが、その手のオーラが強くて、観光名所になっているわ。友人をたずねて行ったことがあるけれど、風光明媚ないいところだったわ・・・。
それはともかく、ニューソート系の『オーラ』や『スプーン投げ』『霊界』などのアイデアの蓋然性については、マイケル・クライトンがその著書で一定の理解を示しているわ。・・・呪術を信じている社会における呪いの有効性について考えれば、たしかに精神の重要性は無視できないけれど、どこからどこまで線引きをするか、については慎重な態度が必要ね」
「あ~そのニューソート系とかって、マルチ・レベル・マーケティング(厳密に法的にいうといまは区別されているが、ねずみ講の一種、もしくは亜種?)に取り込まれて、一気に評判落としたやつね~」
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